今現在様々な分野で必要性が叫ばれ、学校の授業への導入も行われている、プログラミング。
学校でプログラミングを学ぶという子ども、今後のキャリア形成の一環としてプログラミングを学ぶ大人。様々なステージにいる人が、今、プログラミングを学んでいます。
いっぽう、インターネットを介したプログラム開発や、小型電子機器など組み込み機器のプログラミングなど、現在のプログラミングは複雑化しており、一つのものを作るために学ばなければいけないことは増えています。
しかしながら、基本的な部分はそれほど変わっておらず、基礎知識として学ぶ必要があるものは、それほど大きく変わりません。
それら基礎的な知識を得られる環境として、Scratchやcode.orgといったものがあります。
これらの環境については、過去SIDE BEACH CITY.でも講座として展開しており、学生向けのワークショップなど外部のイベントでも展開しています。
- 港南台第三小学校わくわくチャレンジデーScratchプログラミングワークショップを2020年も開催 | まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.
- SBCamp. 11月後半講座、SBCamp. Scratch&Pythonで プログラミングのキホンを学ぼう。を開催 | まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.
- SBCamp. 5月講座、Code.orgで学ぶ、プログラミングのキホンを開催 | まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.
- SBCamp. 一月講座として、Code.org、JavaScript、Pythonの講座を開催 | まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.
また、その他SIDE BEACH CITY.理事である高見が個人で開催しているUdemyの講座などもあります。
Scratchやcode.orgを通して得られること
Scratchやcode.orgでは、プログラミングを行う際に必要となる、命令の実行順序や変数・関数などといったプログラミングに関わる基本的な要素についての知識を、楽しみながら得ることができます。
これらの環境においてひとつひとつの命令を表すブロックは非常に簡素化されてはいますが、実際のプログラミングにおけるプログラムコードと同じような意味を持っています。
ブロックの組み合わせ方から、現存する多くのプログラミング言語における、コードの書き方を知る。プログラミングの基本的なルールや、物事の考え方を、これらの環境を通して知る。
Scratchやcode.orgには、プログラミングの基本的な仕組みを知るのに最適であると、私高見は考えます。
いきなりプログラミング言語に触れるということ
もちろん、これら環境に触れず、いきなりJavaScriptやPythonなど、現状多く使われているプログラミング言語に触れても良いでしょう。
しかし、これらの環境には、Scratchやcode.orgにはない、次のような難所があります。
- 命令文の綴り間違い、記述ミスなどから発生する構文エラーの存在
- 設定ファイルや表示画面、環境構築など、プログラミング言語そのもの以外でのトラブル
Scratchやcode.orgには、ブロックを組み合わせるという性質上、構文エラーというものがありません。組み合わせることが不可能な命令は、ブロックの形状が違って組み合わせられないなど、目で見てすぐにわかる違いがあります。
そのためプログラミングの仕組みに集中することができますし、設定ファイルや表示画面など、プログラミング言語そのものではない場所で、うまくいかずに悩まされる ということもありません。
JavaScriptやPythonにも、CodePenやpaiza.IOなど、Web上である程度の動作を確認できる環境もでてきたとはいえ、実用にはある程度の動作環境を作る必要があります。
Scratchやcode.orgには、それがない。それぞれのWebサービスにアクセスすれば、すぐに使える。プログラミングそのものに集中し、より基本的な仕組みを確実に理解することができる。そのためにもまずは、Scratchやcode.orgから、プログラミングの学習をはじめるとよいのではないでしょうか。
プログラミングに直接関わらない人たちができること
いっぽう、プログラミングを学ぶ子どもの親、教師、子どもと関わる地域コミュニティハウスやコミュニティカフェなどの人々。プログラミングに直接関わらない人に覚えていて欲しいこともあります。
それは、子どものプログラミングをしたいという気持ちを邪魔しないこと。
たとえば
- インターネット環境がないためプログラミングができる環境が限られている
- プログラミングに必要なウェブサイトがアクセス制限により利用できない
- 目的の環境が動作するのに十分な性能を持ったパソコンがない
- せっかくプログラミングで何かを作っても、それについて話しあったり、評価される場所がない
プログラミングをする障害となり、かつ、子どもだけではどうしようもない問題は、たくさんあります。
過去には夏休みの自由研究としてプログラミングを使ってアプリケーションをつくっても、提出することができない といったトラブルもありました。せっかくプログラミングを身につけても、その話ができる人が周囲にいないという寂しさを感じる子どももいました。
親だけでなく、学校の教師が、地域の人々が、プログラミングをしたいという子どもを受け入れる環境を作る必要があるのだと、私高見は思います。
プログラマの考えに触れる・プログラマの気持ちを知る
オンラインのイベントなどをとおして、プログラマと会い、その考えに触れてみる。
実際に自分でもScratchやcode.orgを使い、プログラマの気持ちを知る。
そのためにできることも、いろいろあるでしょう。
ただ、子どもが、大人が、プログラミングに触れる機会の多くなった今、そのような人とともにある地域も、プログラミングについて、おおよそにでも構わないので知っておくという、必要があるのではないでしょうか。