
最近の情報技術の急速な発展は私たちの日常にさまざまな恩恵をもたらしてくれています。
スマートフォンアプリやオンラインサービス、SNSやAIツールなど、ITなしでは成り立たない多くの仕組み。しかしその一方で、こうした技術を支えるITエンジニアという存在は、どこか遠くにいる存在と感じている人も多いのではないでしょうか?
「エンジニアってもっと身近でいい」そのようなメッセージを投げかけるポッドキャスト番組、ITトリオの日常。
SBCast. #144では、その配信メンバーの一人であり、法人経営や地域でのプログラミング教育など多方面で活動するなべちゃんのお話を伺いました。
ゆるく、楽しく、学びのある雑談
ITトリオの日常は、情報技術に関わる職種で仕事をする3人が日々の仕事や気付きをテーマにゆるく語り合うというポッドキャスト番組。
なべちゃん・おぐらくん・ちーずさんという異なるキャリアを持つ3人が、カジュアルに、だけど聞く人の背中をそっと押せるような言葉を届けています。
特に特徴的なのは無理に難しいことを話そうとしないという姿勢。
専門用語を噛み砕いて話す。深刻なトピックも笑いを交えて受け止める。
専門性に偏りすぎず、誰でも楽しく聞けるような配信を。専門的な内容になりがちなITの敷居を下げ、リスナーに親しみやすさを感じさせる番組。それがITトリオの日常です。
「興味を持つこと」から始まる、ITとの接点
ITトリオの日常は、リスナーにこうなってほしいという明確な目標を定めるのではなく、聞いていて楽しいな、面白いな、こういうこともあるんだなと感じてもらえることを重視しています。
そんな中で、「学びになったなっていう、少しでも(何か)持ち帰ってもらえればいいな」「キャリアの勉強学びがあったな」と感じてもらえればうれしいと、なべちゃんは言います。
「興味を持つこと」からITの世界に足を踏み入れてほしい。
「なんだか難しそう」「わたしたちには関わりがない世界だ」――そんなふうに感じられがちな“ITエンジニア”という職業。
ITトリオの日常を聞くことによって、ITエンジニアの存在をもっと身近に感じてほしい。それがなべちゃんの思い出はないでしょうか。
地域から始めるITリテラシーの普及
なべちゃんは番組配信だけでなく、自身の地元でプログラミング教室の運営も行っています。
自分が育った街に何かしら還元したい。子ども達に選択肢を与えたい。
そんな思いから教室を立ち上げたというなべちゃん。
子どもたちだけでなく、保護者にもITの知識を持って欲しい。ITとの距離を少しずつ縮めていって欲しい。
結果的にITエンジニアという道を選ばなかったとしても、ITを使える素地を身につけるということは将来の選択肢を広げることにつながるのではないでしょうか。
そんな想いのもと、なべちゃんは日々、このような活動を進めています。
オンラインでも「ゆるく」つながるコミュニティの可能性
ITトリオの日常はただ配信して終わるポッドキャストではありません。
Xなどさまざまなオンラインでの交流を大切にしており、寄せられたコメントやメッセージが次回配信のトピックになることもしばしば。
リスナーの声はなべちゃんたち配信者にとっても学びになるそう。
そうした双方向のやり取りが、音声配信を単なる情報発信ではなく、ともに学び合う場へと昇華させているのではないでしょうか。
これこそがオンラインコミュニティの力。インターネットを通じて共通の関心を持つ人たちが緩やかにつながり、お互いに刺激を与えあう。ITトリオの日常はその好例と言えるのではないでしょうか。
ITエンジニアを遠ざけないために
ITはますます生活のあらゆる場面に浸透していきます。
そのような時代において、ITエンジニアやデザイナーなどといった技術者との距離感をどう縮めていくか。
その鍵は「学び」や「技術知識」よりも前に、まずは「興味」と「接点を持つこと」なのではないでしょうか。
ITトリオの日常のような緩やかなメディアは、そうした出会いの入り口になり得る貴重な存在ではないかと、私高見は思います。
もしあなたが「ITって難しそう」そう感じているのだとしたら、まずはこのようなポッドキャスト番組に、耳を傾けてみませんか?
きっと「ITエンジニアって案外すぐそばにいるんだな」と感じられるはずです。