創設エピソード「保土ケ谷小学校におけるタイムカプセル開封予定と保護に関するお願い」

志田健一です。
まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.(略称:SBC.)の創立者です。SBC.の全てもの始まりについてご紹介します。

平成7年(1995年)、SBC.結成の15年前

舞台は志田の母校・横浜市立保土ケ谷小学校で、全ては始まりました。

この小学校は大変に古い歴史があり、開校したのは明治6年(1873年)。開校の前年、横浜では新橋との間に日本初の官設鉄道が開業しました。

横浜市が誕生したのが明治22年(1889年)であるから保土ケ谷小学校の創立は市政施行より16年も早いということになります。

平成4年(1992年)、創立120周年を迎える

志田が小学2年生の時、保土ケ谷小学校は創立120周年を迎えました。「わたしたちの保土ケ谷小学校」という記念冊子が発刊され、全校生徒に配布。この冊子は、同小学校の歴史を知るための教材となり生活や社会科の授業で使用されました。

それから3年の月日が経過したある日、志田は冊子に書かれている学校史で「昭和57(1982年)学校創立110周年 タイムカプセルを埋めた。20年後に開封予定」との内容に着目。

タイムカプセルの埋められらている場所については明らかにされていなかったため、興味本位で場所の特定に試みることにしました。

まずは、過去の空撮写真を見ながら校舎立替など変遷を追うことに。校舎は、10年程度の年月では大きな変化は見られないものの、若干の変化を確認。埋められた場所については、建屋(建替等)の影響を受けない場所、学校のシンボルといった複合的要素を検証。

さらには、児童の安全面から立ち入りを制限されていた校舎裏をはじめ、お寺の敷地内である裏山、校舎裏の不気味な竹やぶに至るまで、徹底した独自フィールドワークを実施。

偶然にも校舎裏の倉庫から図書室と書かれた木製プレートを発見し、新たなミステリーも発掘したが、本来の目的から外れるため、これはスルーしました。

その後、推定した場所で調査範囲を狭めつつ、現場検証を実施。

その折、不自然に設置された杭と半径1メートル内の盛土に注目。杭は腐食が進み、白い塗料が剥離していましたが、苦戦しながらも「昭和五・・」という文字を目視でき、タイムカプセルの目印であることを確信しました。

数週間ほどで調査は終了し、独自に特定した場所に、タイムカプセルは埋められていると結論付けたのであります。

そうして、タイムカプセルの存在と場所を知る唯一の生徒となりました。

タイムカプセルの存在を知っている人はいるものの、場所は非公開である方がセキュリティ上、望ましいと考えました。

他方で、本件は個人的調査であることタイムカプセルの存在については小学校側は知っていると思い、特にそれ以上のアクションは起こしませんでした。

平成12年(2000年)、保土ケ谷小学校は現在の神戸町に移転

元の場所(月見台)は完全に閉鎖されることになりました。

当時、身内などにこの小学校に通う者がおり、小学校側の認識を確認したところ、在ろう事かタイムカプセルの存在を把握している様子はありませんでした。

学校移転後は、元の敷地は小学校管理ではなくなるため、恒久的に封印される若しくは法的に開封が難しくなることが考えられます。

平成13年(2001年)、タイムカプセル開封まで残すところ1年

当時高校2年生だった志田は「保土ケ谷小学校におけるタイムカプセル開封予定と保護に関するお願い」と題したメールを作成。

これが最終手段かつ有効的方法と考え、保土ケ谷区役所の区民相談窓口にメール連絡。

実は前年に「市民から提案」というインターネットを使った横浜市長への提案コーナーを使い「横浜市営地下鉄初乗り運賃値下げのお願い」(別記事にて紹介)と題した要望をメールで送っており、その時に覚えた要領でやりとりを始めました。

その後、役所と何度かメールのやり取りをさせて頂く中で、以前に特定したタイムカプセルの具体的な場所についても提示させて頂きました。

結果、区役所側からタイムカプセル開封時の小学校跡地の解錠と保護を確約しました。

平成14年(2002年)、遂に迎えた開封予定の年

役所からメールが届きました。開封して中身を確認してみると、そこにはタイムカプセルを無事に開封したとの報告と御礼の言葉が書かれていました。

それは、平成7年(1995年)に独自調査による場所の特定に成功してから7年後のことであります。

この活動を通し、行政に対するアプローチの有効性と一市民として活動の可能性を体験することができたのです。

実績

平成13年(2001年)
「保土ケ谷小学校におけるタイムカプセル開封予定と保護に関するお願い」

まちづくりエージェントSIDE BEACH CITY.として

私たち、まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.では、大小様々な提案活動や改善運動を行っております。

すぐ足元にあることから遠い未来で実現可能なことまで実に幅広いです。

日常の些細な気付きやあるようでなかったものなど、ミクロな視点から始まるまちづくりを考えています。