先日放送したSBC.オープンマイク #96 では図書館とゲームと学びと暮らしと題して、図書館とゲーム部で活動する格闘系司書さんにお話を伺いました。
人は遊びの中から多くのことを学べます。
それはゲームの中からでも同じ。
たとえばボードゲームからであれば、どのようにすれば多くの人と楽しく会話することができるのか、どのようにすればお互いの関係性をより良く保つことができるのか。
テレビゲームなどのデジタルゲームであれば、様々なゲームの中の風景から実際のどこかに思いを馳せたり、ゲームの物語から自分はどう行動するのがよいのかを考えたり。
ゲームは現実にある様々な物事を、何らかの方法で抽象化している。
だからこそ、ゲームの世界をとおして、実生活に役立つなんらかの知識や考え方を学ぶことだって可能です。
そのようなゲームを図書館に取り入れることで、図書館の新しい可能性を探る。より多くの人々にとって魅力的な場所にする。
そのような目的のもと図書館とゲーム部は活動を行っています。
ゲームの遊び以外の側面
ゲームは遊び、そこで学べることなんて特にない。そう思ってらっしゃる方もいるかもしれません。
ただ、前述の通り、人は遊びを通して様々なことを学び大きくなっていくものだと思います。
それはゲームでも同じ。
特にゲームという、日常の常識から離れた体験だからこそ、そこで得られる体験もまた日常とは全く違うものになる、全く違う知識経験が得られる。その可能性もあるのではないでしょうか。
ただゲームの世界で得た知識経験を日常に生かすのは、そう簡単なことではない。
特にゲームで学べるような知識経験は、「このような時にはこうすればよい」「こういう人と出会ったらこういう会話をした方が良い」などといった、直接言葉にできない非言語的なものが多い。
だからこそ自らがそこから得た知識経験は、ゲーム以外でも使えるかもと思ってそれを見ないと、せっかく得た経験を現実世界に持って帰ることができない。
そんな性質の経験がゲームには詰まっているのではないかと私高見は思います。
私高見も、ゲームから多くのことを学んできた
私高見もゲームから多くのことを学んできたと思っています。
「世の中にはこういう人がいるんだ」「こういう考え方の人はどう関わっていけばいいんだ」「○○とはつまり、こういうことだ」現実にある課題がゲームによって抽象化されることによって、読み解きやすくなる。これはつまりこういうことなんじゃないかと、考えやすくなる。
ゲームで得た知識経験は、自分の日常生活の多くの点に関わってきていると思っています。
遊び以外の側面を見る機会
ただし、ゲームを遊び以外の側面で見るという機会はそんなに多くはありません。
「ゲームは遊び」そこで止まってしまい、そこから先を考えないということも多いのではないでしょうか。
SBC.オープンマイクで格闘系司書さんは「ゲームに対する図書館とか学びとかとは全く逆のコンテンツって思われてるっていう間違ったイメージ」と言っていました。
しかしまだまだ世間一般では、ゲームをよく遊ぶ方も含めて、このようなゲームと学びは全く逆のコンテンツという認識を持っている方は多いのではないかと感じます。
ただ何度も言うとおり、人は遊びで成長していきます。それは遊ぶための道具がゲームであっても同じです。
そのようなゲームの遊び以外の側面、遊びの先にある学び。これらをしっかりと見つめていくことも、必要なのではないか と、私高見は考えます。
まずはゲームについて話し合ってみる
まずはゲームというものについて、もっと色々な人が話し合う機会が必要なのではないかと、私高見は思います。
ゲームをする人、しない人、自分自身はしないけど、家族がゲームをするという人。
そのような人がお互いに話し、場合によっては一緒にゲームをして、ゲームのいいところや悪いところ、課題になるところをお互い情報共有していく。そんな場が今必要とされているのではないかと思います。
そしてそんな場所の一つの形が図書館になること。
今の時代の新しい図書館の形として、それも良いのではないかと私高見は思っています。