まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.(SBC.)は2025年6月27日、当団体の本社である横浜市中区の「さくらWORKS<関内>」のフリーラウンジにて、シン・facelook Part.21を開催しました。
今回は、ヨコハマ経済新聞の副編集長、紀あさ(きの・あさ)さんにお越し頂き、自身の活動内容を中心に、20周年を迎えたヨコハマ経済新聞のことや「るるぶ まちといろ 神奈川」のことなどを、お話し頂きました。
原点に立ち返る「シン・facelook」
「シン・facelook」は、SBC.が主催するリアルイベント”シリーズです。前身の「facelook」は、専門家と参加者が直接向き合い、課題に注目しながら解決の啓発と糸口をみんなで考える講座として命名され、2018年にスタートしましたが、途中からSDGsをテーマにしたイベントへと変化していきました。
今回から、原点に立ち返り「Face To Faceで何かが生まれるきっかけを」を新たなテーマにして、シリーズ名を「シン・facelook」に改題して再開しました。
今回のゲスト紀 あささん

紀さんは横浜市と北海道函館市の二拠点をベースに、手回しオルガン奏者・写真作家・大道芸人・地域メディア編集など、幅広い分野で活動しています。
地域密着型ニュースメディア「ヨコハマ経済新聞」では副編集長として、企画編集、取材、記事執筆を担い、まちの文化やイベント情報などを発信しています。
今回は、紀さんがホワイトボードにトークテーマをリストアップし、参加者が話してもらいたいテーマを選ぶ形で進行していきました。
魅了された芸術:手回しオルガンとパントマイム

最初のテーマとして選ばれたのは演奏でした。
ヨーロッパで手回しオルガンに魅せられ、博物館に通っていたところ、あるコレクターから「街で演奏してくれるなら」という条件で事実上譲り受けたのがきっかけで、奏者として活動を始めたそうです。
普段使用しているオルガンは函館で作られたもので、職人による製作過程を100日ほどかけて写真に収めたとのこと。一見すると操作は簡単そうに見えますが、一定のペースでハンドルを回し続けるのは難しそうでした。
また、演奏に合わせてパントマイムも披露していただきました。こちらは、横浜でフォトジェニックな女性パントマイムアーティストを見つけ、写真を撮りたくて追いかけるうちに、自身もパントマイムの世界に魅了されていったとのことです。
ギリヤーク尼ヶ崎さんとの出会い

こうした大道芸人との関わりの中で、ギリヤーク尼ヶ崎さんを観るべきだと勧められたそうです。
彼の演舞と、その最中に投げ銭が飛び交う様子に深く感銘を受けたとのこと。撮った写真を見せると、「出版しなよ」と背中を押してもらい、実際に出版された本を紹介してくれました。
現在では、ギリヤークさんの演舞を支える黒子としても活動しているそうです。
また、この本の出版がきっかけで、自分で文章を書けることに気づき、写真家からライターへと活動の幅を広げることになったと話してくれました。
ライターとしての軌跡とはまれぽの現状
ライターとしては、「ザ・ページ」というメディアで署名記事を書き始め、「ヨコハマ経済新聞」にも寄稿するうちに、掲載してもらうため編集部に入ったという経緯があったそうです。
また、はまれぽにも、本が書けることを売り込みにいったとのこと。はまれぽには、およそ50本の記事を執筆したとの経験を話してくれました。
ゆるさもあり、チャレンジングな記事も多かったそうですが、実は編集部とライターとのやりとりは丁寧であり、何度も推敲を重ねて記事を完成させていたようです。ハマ経と比べても実は丁寧なメディアだったと語ってくれました。
現在では、編集部の体制が変わってしまったこともあり、記事の更新は途絶えている状況でしたが、参加者からは何とか再始動できないだろうかという話で盛り上がりました。
「るるぶ まちといろ 神奈川」と「ヨコハマ経済新聞」

ヨコハマ経済新聞の編集の活動としては、「るるぶ まちといろ 神奈川」に関わった話を語ってもらいました。各区担当のライターと協力し、横浜市内14区分を担当したとのことです。
各区ごとについた人数はまばらで、特に金沢区では大きな団体に協力してもらえたそうです。ライターと編集部との間で何度もやり取りを重ねたり、締め切りギリギリで間違いが見つかったりと、相当な苦労があったと話してくれました。
参加者からは、横浜市や、自分たちが住む地域に特化したガイドブックなども出版できたら面白そうだという意見が出て、話が盛り上がりました。
ヨコハマ経済新聞は、広告収入だけでは運営が厳しいという切実な話もありました。そこで、応援したい個人や企業に会員になってもらい、月額料金で支えてもらうサポーター制度を導入したとのことです。
今後も運営を続けていく上で、どのように収益を得る仕組みを作っていくかが、考えていかなければならない課題だと話していました。
イベントを終えて

紀あささんの醸し出す空気に会場は終始包まれ、気づけばあっという間の2時間でした。参加者も満足だったことでしょう。紀あささんのアーティスティックな活動は「ヨコハマ経済新聞」を切り盛りする姿とはまた別で、大変刺激になりました!
皆様どうもありがとうございました!
「シン・facelook」は2ヶ月おきに主に横浜関内近辺で開催予定です。ご興味を持たれた方は今後のイベント情報をお待ちの上で、ぜひご参加ください。