2024年12月14日(木)、横浜市中区関内「泰生ポーチフロント」にて、「Web3でひらく地域の未来~トークンエコノミーと新しい協働のカタチ」と題した「ローカルテックスタディーズ Vol.4」が開催されました。今回はWeb3をテーマに、地域課題の解決、新たなコミュニティの形成、地域経済の活性化を目指した事例を基に、今後の可能性についてディスカッションを深めました。
「ローカルテックスタディーズ」とは?
ソーシャルグッドオフィス「さくらWORKS<関内>」は、会員の「まちづくりエージェントSIDE BEACH CITY.」と「ローカルテックスタディーズ」と題した勉強会(※)を2024年5月からスタートしました。テクノロジーが地域社会に与えるポテンシャルを探求し、その可能性を引き出すための事例紹介や情報交換をするイベントです。
Chat GPTの音声会話機能実演からスタート
イベントの冒頭では、Chat GPTの音声会話機能を用いたデモが行われました。司会進行をお願いしたいという要望には応えられないとのことでした。2025年には司会やファシリテーターをAIが担うことができるかも知れません。また、この時点ではリアルタイムの最新情報は分からなかったのですが、すでに現時点では最新情報が分かるようになっています。例えば、「現在の電車の運行状況は?」とか「今の関内の天気は?」と言った質問は、このイベント開催時点では答えられませんでしたが、現在は答えられます。
WebX2024で感じたWeb3の将来への期待
まずは当団体の理事長である山口から、Web3に関連してアジア最大級のWeb3カンファレンスであるWeb X 2024に参加してきた様子をフォトレポートのような形で紹介されました。
SONYのような大企業がブロックチェーン開発に参入してきていることや、アイドル業界やアニメ漫画ゲームのようなコンテンツとのWeb3の相性の良さなどが注目されているというお話がありました。また有名企業だけでなく、今は誰もわからないようなスタートアップ企業の活躍が今後出てくることに期待したいと話しました。ゆくゆくはSBC.も出展するということを視野に入れているのとのこと。
トークンエコノミーついて
Web3を地域活性に活用する方法として、地域特有資産をトークン化し、購入を促すという事例が紹介されました。具体的には、有名ではある成功事例、山古志村の錦鯉のデジタルアート作品を利用したNFTが挙げられました。
トークンの価値上昇(既存の暗号資産に連動していることにより世界的な暗号資産の上昇によるトークンの上昇も見込めるが問題はそれを欲しいと思える人がいるか?=流動性)は、コミュニティの価値向上にも繋がり、地方創生の鍵となる可能性を秘めています。ふるさと納税との共通点として、地域への関心を高め、話題性を創出することが重要であるという意見もある他、地方自治体が暗号資産を持つことによる経済活性化も視野に入れるべき、という意見も出ました。
RWAが熱い?
インターネット上だけではなく、実物で価値を求めたいという人も多くいるだろうという話題から、リアルワールドアセット(RWA)という用語が紹介されました。これは現実世界に存在する資産権利をブロックチェーンでトークンに変換するというもので、不動産をはじめ、いろいろな分野ですでに活用されはじめているとのことです。
様々なものがブロックチェーン化できる一方で、マイナンバーカードなど個人情報やプライバシーに関わるものは、課題が多いという議論もありましたが、テクノロジーとリテラシーの普及が解決すると思います。そのためにこのようなイベントを継続することが重要と考えます。
地域通貨を遡る議論も
地域通貨の成功事例として「さるぼぼコイン」を取り上げました。SBC.では、2019年のイベントですでに取り上げました。
ゲストスピーカーとして参加されていた横浜コミュティデザインラボの杉浦氏による、1900年代初頭のドイツの経済学者シルビオ・ゲゼルが「減価する通貨」の概念の話は、興味深いものがありました。その場でAIがその裏付けを表示した場面はなかなかタイムリーでした。
Web1とWeb3の共通点はワクワク?
最後にはミームコインというユーモアや面白さを重視した暗号資産が紹介されました。最新の技術が使われているにも関わらず、かつての古いインターネット1.0を思わせるドット絵やGIFアニメなどが活用され、原点回帰の面白おかしさを伝えてくる様子は、これこそがインターネット初期のワクワクさの盛り上がりっぽいという意見も出て、利用者の興味関心次第でまだまだ広がっていく余地があると感じました。
どんな形であれ、Web3の技術にふれる、知る機会というのを作ることも大事だと感じました。SBC.ではデジタルデバイドの解消という大きなゴールを目指して、このような最新のテクノロジーに触れるイベントや講座、機会の創出を実施しています。