福島県と台湾の交流拡大を目指す「福島前進団」に横浜のNPOサイドビーチシティとしては昨年から中間支援をしております。2021年10月31日に福島県双葉郡川内村で行われた台湾市民と福島大学の学生との交流会に参加したので、その報告をお届けします。
福島前進について
「福島前進」は福島県川内村の「特定非営利活動法人元気になろう福島」が、福島における正しい情報を発信し、台湾で続く福島県などの日本産食品の禁輸の解除につなげようと企画しました。
台湾のメンバー(在日台湾の方々)は原発がある双葉郡内の各地域に分散して1週間ほど滞在し、魅力や復興状況を発信しました。
「福島前進 POP UP Fukushima」は、福島の復興状況や魅力の発信を通して、福島とつながる台湾市民コミュニティを形成し、台湾の市民運動として将来的な福島との交流人口・関係人口の増加を目指し活動をしています。
サポートを通じて
川内村には天山文庫と呼ばれる施設(かわうち草野心平記念館「天山文庫」)があります。草野心平(いわき市出身の詩人)にゆかりのある施設です。「天山」とは東洋と西洋の交流が中国天山山脈の北路と南路[シルクロード]を通じて行われたことに由来し、1960年に草野心平が名誉村民になったことをきっかけに、草野心平の蔵書が村に寄贈、文庫の建設になりました。
この施設には世界中の文学や各国についての解説本が置いてありました。当時、草野心平の私物の本を村民に貸し出していました。これらの本で村民は当時、国際社会について、東洋文化、西洋文化を知ることができました。草野先生は村民と飲み会を開き、交流会(飲みニケーション)を活発に行っていました。この施設にはバーのようなところがありました。
川端康成先生など当時の著名な文豪たちとも多く交流をしていました。今回のこの福島前進と天山文庫の共通点が多く、川内村には国際交流や学びの場としての文化が根強く土台があると感じました。
草野先生は、本を通して国際社会を学び、川内村の村民にも広めようとしました。今回の福島前進のイベントでは、国際社会を本で知るのではなく、このイベントを通して台湾人も日本人もともにお互いの文化を体験し知ることができます。
本では情報が一方通行ですが、交流会では相互理解を深めることができます。交流をすることはとても大切であると草野先生も考えられていたように、交流会は地域社会を活性化し、地域交流を活発に行うことができます。
天山文庫には原子力に関する本が置いてあり、草野先生は原子力をはじめ、科学に造詣が深く知識もあり、文学だけでなく常に多角的な視点を持って作品作りに取り組んでおりした。このような学びの場がこの事業を支える文化的な基盤となっていると感じました。
福島の良さや放射線の風評被害について正しく学び、発信し、幅広く知識と経験を得て、交流会を開き、相互理解を深め、情報交換をし、国際理解を深めることが大切であることを今回のこの事業で学ぶことができました。
また、このプロジェクトの台湾でのイベントなどは継続していきます。
来年もこの活動の支援をSBC.としては微力ながらサポートしていきたいと思います。
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