2018年1月27日(土)、さくらWORKS<関内>にて、まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.初の主催イベント、子ども向け簡易環境で学ぶ、プログラミングのキホン というイベントを開催しました。
簡易プログラミング学習環境 code.org
当日は、子ども向けの簡易プログラミング学習環境、code.orgというものを使って、プログラミングの基本的な流れを確認してもらおう というもの。一般的には、このようなプログラミングのイベントは子どもを対象としたものが多いですが、今回は、あえて年齢を限定せず、大人向け(子ども連れ参加も可能)という形式で開催しました。
流れとしては、プログラミングとは何かという基本的なお話しから、実際のプログラミングの流れ、それを大まかに体感するための手段として、code.orgと、もう少し自由度の高い環境、Scratchの紹介(今回は時間が取れなかったため、紹介のみ)。
当日の資料はSlideshareでも公開
よろしければご覧ください。
今回はプログラミングの流れを知ってもらう ということで、プログラミングの基本要素となる「順次・判断・繰り返し」の三つの話を中心に行いました。
普段プログラミングに触れていない というかたもいらっしゃいましたが、おおよその流れはみなさん掴んでいただけたように思えます。
イベントの開催動機
今回のイベントの開催動機は、まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.のミッションである、まちづくり×ITを行う環境づくりのため。
子どもがプログラミングを学び、次の世代の産業に備えるのは非常に良いことですが、環境を作るのは、やはり親であり、教師であり、地域です。そのためにも、大人がプログラミングについて知り、プログラミングがしやすい、評価されやすい環境を作っていくことが重要です。
親に必要とされる、パソコンの知識
プログラミングが快適にできる環境を作るためには、様々な準備が必要です。とても分かりやすいところでは、環境構築が快適に行えるそこそこ性能の良いパソコンなどがあります。
- code.orgやScratchはともかく、本番向けの開発環境を動かすためには、そこそこ性能のよいパソコンが必要(親にもパソコンの性能についての理解が必要となる)
- パソコンの基本ソフトによっては、そもそも目的としている環境のアプリケーション開発環境が構築できないことがある(親にも基本ソフトについての知識が必要となる)
- 開発環境によっては、iフィルターなどのフィルタリングソフトと相性が悪く、正常に動作しないことがある(親にもソフトの設定変更に関わる知識が必要)
また、開発環境の多くは無償で入手できるようになったとはいえ、まだまだ子どもだけですべての開発環境を整えるのは難しい状況。親も「わたしは機械が弱くって…」とは言ってられない状況があります。
地域に必要とされる、プログラミングの理解
いくら一人の子どもがプログラミングを覚えたとしても、周りにその力を発揮できる環境がなければ、成長にも限界があります。
- プログラミングの環境は日々変化しており。一人だけで得られる情報だけでは限界がある(他者と情報交換をする機会が必要となる)。
- 大規模なプログラムとなると、一人だけで作るということはそうそうないため、何人かで集まって共同製作をする必要がある(他者と連携するためのコミュニティが必要となる)
東京などにはプログラミングを題材としたコミュニティや、それら団体が主催する勉強会も数多くありますし、最近ではCoderDojoという、子どもがプログラミングに触れ、勉強できるスペースもあります。
しかし、誰もがそのような場に簡単にアクセスできるわけではない。そのため、まずは子どもの前に、大人が「プログラマがその場にいても良い」環境を作る必要があります。
社会に必要とされる、プログラマへの理解
また今後、その子どもたちが大人になり、プログラミングを仕事とすることとなったときのためもあります。
今の子どもが大きくなったとき、恐らくそのときの会社の上司は、今の親世代ではないでしょうか?
そのとき、親世代がプログラミングに詳しくなかったら?誰が入社してきたプログラマをしっかりと判断し、しっかりと評価し、それを賃金などの待遇面で表現することが出来るのでしょうか?
そのような土壌の整備をせず、子どもだけにプログラミングを教え、将来に期待をするのは、むしろ無責任ではないかとわたしは思うのです。
プログラミングは複雑。だからこそ周辺の理解が必要。
プログラミングは非常に複雑なものです。誰もがその中枢まで理解しなければいけない というものではありません。
しかし、「そういうものがこの世の中にあり、こういう仕組みで成り立っている」ということだけは、万人が知っておかなければならないことではないかと思います。
そのために、今回のイベントを開催しました。
今後に向けて
今回のイベントは、大まかには成功といえたと思いますが、ほんとうにこれらの知識を必要としている人にアプローチできていないこと、本当に分かりやすい表現が出来ていないことなど、まだまだ課題はたくさんあります。
また、コンピューターを活用する手段は、プログラミングだけではありません。既存のアプリを上手く使い分けることも、それを使って絵画や音楽などの自己表現をすることも、立派なコンピューター活用です。
今回のような講座も、また別の種類の講座も開催していきたいと思っています。
次のイベントに向けて
また、次回会場は変わりますが、緑区中山にあるTama cafeにて、子ども向けのプログラミングイベントも開催します。
是非、まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.の今後の活動にも、ご注目ください。