参加することが経験になる

イベントイメージ

今までにも書いたとおり、現在地域で活動する団体も、多くがインターネットでの情報発信をはじめています。

Zoomでのトークイベント開催や、その様子をYouTubeやFacebookのライブイベントに配信するなど、様々な活動の様子がインターネットに配信されています。

自分たちも、「そろそろ活動をはじめないと」と思っている地域団体の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

オンラインイベントの様々なツール

インターネットで情報を発信したい、交流したい という場合、様々な方法があります。

昨今良く使われるZoomでの対談や、それをYouTubeで配信するという方法。SBCast.のように音声での情報発信をしたり、discorddabelのようなサービスを使って音声で他者と交流をするという方法もあります。

それこそFacebookTwitterなどでの文字での対話だけでも構わない。インターネットを使った情報の発信・交流にはいろいろな方法があります。

しかしながら、今地域コミュニティのイベントを見ると、Zoomの対談や、それをYouTubeで流すだけの配信イベントなどが多いように感じます(ZoomにはYouTubeに映像を配信する機能があるため、それを使えば簡単にYouTubeへの配信が可能です)。

しかしそれは、本当にそのイベントでやりたいことなのか?イベントで達成したかったことは、そのツールで本当に達成できるのか?ということを、今一度考える必要があります。

オンライン(インターネット上)での情報発信と、オフラインでの情報発信での違い

オンラインでの情報発信とオフラインでの情報発信には、様々な違いがあります。

まずは利点として

  • 時間や空間を共有しなくても良い(同じ時間に参加しなくても、決まった場所から参加しなくても良い)。
    • 移動にかかる時間や費用がない(このため、県外からでも、海外からでも容易に参加することができる)
  • 視聴者は一度にすべての情報を受信する必要がない(途中で一時停止することができる)
  • 視聴中に移動しながらでも、情報を受信し続けることができる(トイレやお風呂にいくなど)

しかし、課題として

  • 発信者はよほど発信したい情報をまとめないと、視聴者に飽きられてしまう(視聴者はパソコンやスマートフォンのブラウザ上で情報を見ることになるため、他のコンテンツにすぐ移動できる)
  • リアルタイムに反応が得られるとは限らない(視聴者は同じ時間に情報を見るとは限らないため)
  • Zoomなどの視聴者参加型イベントの場合、背景の表示を強いることが、視聴者にとって負担になることがある(オフラインイベントと違って視聴者がいるのは会場ではなく自宅のため、映り込むべきでないものが映り込む可能性がある)
  • 通信環境など様々な外部要因により、イベントが中断されたり、上手く行えなくなる場合がある。

というものもあります。また、すべてがパソコンやスマートフォンの画面上で行われるため、味覚や嗅覚、触覚などの人間の感覚が使えない という問題もあります。

こちらについては以前、高見が外部のイベントで発表を行っています。

オフラインイベントと、オンラインイベントは、イベントという側面では同じものですが、全く違うものです。

  • 多くの人たちが業務でインターネットツールを使っている平日日中を避ける
  • 顔出しを強制しない
  • リアルタイムでなくイベントを視聴する人向けの情報発信を心掛ける(「今日」や「明日」のような相対的表現を使わず、日付を言う。市内でしかわからないような内容を言わず、なるべく検索してわかる粒度の発言を心掛ける)
  • 特に主催者は複数人で配信システムを管理するなど、急なトラブルに対処できるよう準備を整えておく

など、様々な工夫が必要になるでしょう。

オンラインイベントはオフラインイベントの代替ではない

オンラインイベントは、オフラインイベントの代替手段などではありません。

もちろん地域の方々にとっては、なによりオフラインでのイベントを優先させたい気持ちはあるでしょう。ただし、オンラインでイベントをやる以上は、やるなりにしっかりと考えないといけないこともあります。

最近流行りのZoomでやっておけばいいやとか、そういう問題ではないのです。

もちろんZoomを使うなら使うでも良い。ただ質疑応答にはsli.doPutYourHandsUpなどのサービスを用いる、対話の機会にはブレイクアウトルーム(参加者を一度数人程度の小部屋に分ける)機能を用いるなど、様々な方法がある。

映像が必ずしも必須ではないとなれば、それこそSBCast.のようなポッドキャストでの配信でも良い。最近ではAnchor.fmなどのサービスを使えば、追加出費を最低限にして、ポッドキャストの配信環境を構築することができます。

それぞれの方法を使って最大限、オンラインの可能性を活かしたイベントづくりが必要とされます。

参加することが経験になる。オンラインイベントの様々な形

現在、様々なオンラインイベントが様々な方法で開催されています。Zoomを使った視聴者参加型イベント、StreamYardを使った映像配信、clusterを用いたライブイベント。様々な形式でイベントが配信されています。

自分たちのイベントに合うツールは何か、自分たちのイベントに合ったツールの使い方とは何か。それを探すためにイベントを開き続けていたのでは、きりがありません。

だからこそ、高見が勧めるのは、他人が開いているイベントに参加することです。それもなるべく、複数のジャンルのイベントに参加することです。

例えばIT勉強会。IT勉強会では実にたくさんの手法が用いられています。Zoomの動画配信もあれば、StreamYardを使った配信、Microsoft Teamsのライブイベントを使った勉強会配信など、様々な手法があり、そのそれぞれに特徴があります。

内容が8割以上分からなくても良い。途中退席になってしまっても良い。いろいろなイベントに参加し、その配信方法を見て学ぶというのも、立派な勉強です。

様々な情報発信技術を行う、Peatixが配信しているPeapod生収録イベントや、(既に終了していますが)078Kobe Onlineなどの地域オンラインイベントを視聴するのも良いでしょう。

すべてを試しているほどの余裕がないとき、参加経験ほど経験になるものはない と、高見は思います。

ツールを使う上での心構え

また、ツールを使う上での心構えについて、高見が思っていることも書いていきます。

英語の情報に慣れること

また、ここまでで様々なオンラインでの情報発信ツールを紹介してきました。

これらツールの中には日本語対応がなされておらず、日本語の文章は入力できるものの、説明文がすべて英語である というものも少なくありません。

インターネットで活動するに当たって、なにより必要になるのは英語を読む能力・・・ではなく、「英語に抵抗を持たない姿勢」であると、高見は思っています。

たとえば、最近だとChromeブラウザでは、メニューから簡単にGoogle翻訳ができる拡張機能なども存在します。どうしても読めない言葉があったときはそのようなツールに頼っても良い。

やりたいことはあるけれど、ツールを紹介されたけれど、サイトが英語だから使えない というのでは、せっかくの有用なツールを使えないことになってしまう。それはとても勿体ないことです。

だからこそ、英語が自力では読めなくてもいい。ブラウザの機能に頼ってもいい。英語に抵抗を持たず、自分に必要なツールを選択してもらえればと思います。

すべての人が、その環境に最も適したITツールを

まちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.では、すべての人が、より環境に適したITツールを使えるごとを願っています。

とりあえずZoomなどではなく、自分のやりたいイベントに最も適したものは何かをよく考え、ツールを選択する必要があります。

そのための情報をまちづくりエージェント SIDE BEACH CITY.では発信していきたい と考えています。ご興味おありの方は是非、お問い合わせフォームなどからご連絡ください。